ウェブ制作会社に、念願の正社員採用。
半年間、派遣で力をつけさせてもらった。
学びと反省があった。
そして、働く楽しさがあった。
これが労働だと思った。
結局、僕のサウンドクリエイター時代の音楽の作り方は、趣味だったんだな、と思った。
クライアントの方を向いていない。自分を満足させるために作曲をしていたんだと思う。そういうやり方しか知らなかったのだから、仕方がない。
熱心にウェブのスキルを身につける、密度の濃い、ウェブクリエイターとして初めての半年間を過ごした後、念願の正社員として、採用してくれるという会社が現れた。
正確には、半年間の契約社員としての試用期間後、正社員登用される、という契約である。
退職金やボーナスはない。年俸制。
それでも、終身雇用が保障された、正社員という響きに、僕はたまらない魅力を感じた。
今まで一度も正社員として働いたことがなかった自分からすると、喉から手が出るくらい、勝ち取りたい身分だった。
肩書きは、ウェブデザイナー。
かなり勉強を重んじる会社で、いろいろな勉強会や、課題が出た。
まずは第1課題として、デザイナー部門長から、Photoshopで、参考になるサイトの「模写」をするという課題が出た。
さまざまなテクニックを駆使して、お手本サイトと全く同じ質感になるように、デザインを作っていく。しかし、なかなか全く同じにはならない。
この課題は、Photoshop力の向上に、大きく役立った。
技術面では、まず全社員対象に、社長自らが講師となり、TCP/IPの勉強会。
知識が定着しているかどうかの確認課題まであった。
この会社では僕は、cssコーディング、Smartyテンプレートのコーディング、と言ったところを担当していた。サーバーサイドは、まだまだちんぷんかんぷんであった。デザイナーとしては、地図くらいしか担当させて貰えなかった。ここのデザイン長は、本当に上手な人だったので、僕のレベルではとても使い物にはならなかったのだろう。しかし、css、Smartyは現在に至るまで、使用している技術なので、ここでみっちりと身につけたことは、その後のフロントエンド開発の礎となっている。
2009年の4月にこの会社の社員になり、初めての年が明けたころ、FindJobの自己PRを再編集していることが社長の逆鱗に触れ、辞めてくれないか、と言われた。
そんな理由で辞めさせる事なんて出来るのか?と理不尽な気持ちで一杯になったが、僕は渋々、了承した。
そんな訳で、初めての正社員としての生活は、1年という短い期間で、幕を閉じた。